
複合機(コピー機)をプリンターとして利用するオフィスがほとんど。
有線・無線LANで接続すれば、自席のパソコンから自由に印刷できます。
その際、「ふちなし」で印刷した経験がある方はおられるでしょうか?
一般的に複合機(コピー機)で印刷するときは、用紙の上下左右に余白があります。
でも、会社のパンフレットや資料を作成するとき、余白が邪魔なケースがありますよね。
しかし、「ふちなし印刷」は基本どのメーカー・機種でもできないのです。
そこで今回は、現在流通している複合機(コピー機)で「ふちなし印刷」ができない理由と、それに代わる機能をご説明いたします。
▶︎目次
1.複合機(コピー機)で「ふちなし印刷」ができない理由!
会社で、イベントのポスターやパンフレットなどを作ることがあり、上下左右にふちなしで印刷したいですよね。
一般的にWordやExcelなどで作成した資料を作るとき書式設定を行いますが、余白0mmでは設定できません。
パソコンの「通常使うプリンター」はお使いの複合機(コピー機)で設定してあると思いますが、すべてのメーカーの複合機(コピー機)は「ふちなし印刷」はできないのです。
ただし、ふちなし印刷ができないのは「レーザー」タイプの複合機(コピー機)で、インクジョットタイプの機種ではふちなし印刷はできます。
レーザー複合機(コピー機)で「ふちなし印刷」はできない理由
レーザータイプの機器で「ふちなし印刷」ができない理由は、印刷する仕組みにあります。
レーザータイプの複合機(コピー機)やプリンターでは、以下の流れで印刷が行われています。
➀帯電
複合機やレーザープリンターの感光ドラム(感光体)の表面全体に均一に静電気を帯びさせます。
➁露光
レーザー光やLEDで、印刷データのパターンを帯電した感光ドラムに画像を描写。レーザー光の照射部分は静電気がなくなります。
➂現像
トナーが感光ドラムに近づくと、静電気のない部分にだけトナーが付着。
➃転写
感光ドラム表面に用紙を密着させ、用紙裏側からプラス電荷をかけることにより、感光ドラム上のトナーを用紙に移します。
➄定着
トナーが転写された用紙に熱と圧力を加える方式や光を当てて融着させて、トナーを用紙に定着させます。
以上の流れで印刷が行われ、そこで「ふちなし印刷」してしまうと、➂~➄の工程で用紙に付着せずにはみ出したトナーが、ローラーや感光ドラムに定着してしまい、次に感光ドラムを通る紙を汚したり、紙送りに不具合が生じたりする危険が。
このような理由から、どのメーカーの複合機(コピー機)でも基本的に「ふちなし印刷」はできないのです。
インクジェットタイプの機器で「ふちなし印刷」ができる仕組み
ちなみに、インクジェットタイプの複合機やプリンターは「ふちなし印刷」はできます。
その印刷の仕組みは、インクが落ちていく部分に少し段差をつけて凹ませ、インクを吸収するスポンジがセットしてあるので、そこにはみ出したインクが吸い取られていきます。
この仕組みによって、イングジェットタイプの機器ではふちなし印刷が可能になっているのです。
2.ふちなし印刷に代わる機能紹介
レーザー複合機(コピー機)では「ふちなし印刷」はできませんが、それに代わる機能として「印字領域を広げる」ことはできます。
余白を完全になくすことは不可能ですが、用紙のギリギリまで印刷領域を広げることはできます。
ここでは、参考にCanon(キャノン)複合機のプリンタードライバーの設定方法をご紹介いたします。
Canon複合機 印字領域を広げて印刷する方法
➀お使いの複合機のプリンタードライバーを選択して「プロパティ」を開きます。
➁「仕上げ」タブを選択して、その画面下部の「処理オプシュン」をクリック
➂設定項目の中で「印字領域を広げて印刷」を「する」に設定して「OK」をクリック
➃この状態で印刷すれば、印字領域が最大で出力されます。
その他のメーカーでも設定する名称は異なりますが、用紙ギリギリまで印刷できる機能が使えます。
一般的にプリンタードライバーのプロパティで設定できるので、一度確認して実行してはいかがでしょうか。
3.まとめ
会社の仕事の中には、「ふちなし印刷」したいケースは意外に多いですよね。
しかし、一般的なオフィスで利用されるレーザー方式の複合機(コピー機)やプリンターで「ふちなし印刷」は基本的にできません。
仮にふちなし印刷した場合、印刷する過程で用紙に付着せずにはみ出したトナーが、ローラーや感光ドラムに定着してしまい、次にコピー・印刷するときに問題が発生するからです。
ふちなし印刷に代わる機能として、用紙のギリギリまで印刷領域を広げる設定はできるので、一度試してみてはいかがでしょうか。